長安寺

長門町長久保:依田典仁住職
〔連載第65回〕

 長門町長久保の「長安寺」は武石村の信広寺の末寺。元和四年(1618年)に曹洞宗道場として開寺。最初は依田川沿いの中川原地籍にあったが、寛永六年の大洪水のため流失、現在地に再建した。

町指定文化財「経蔵」
 本堂の境内にある「経蔵」は昭和五十三年長門町指定文化財に指定された。江戸末期の建立と推定。明治四年の火災で本堂は焼失したが、経蔵は難をのがれ無事だった。
 また格(ごう)天井には狩野派の絵師・武重桃堂のほか多くの絵画が飾られ当時の美しさを保っている。そして、経文を収める回転式の書庫、輪蔵などあり、大般若経六百巻が収められている。
 「輪蔵」は朱塗の八角で高さ3.5m、巾2.2mで閲覧を便利にしたり、文旨でも閲覧と同じ功徳が得られるよう考案される様式となっている。

イチョウの木
経蔵わきに立つイチョウは平成三年、町の保存樹木に指定された。樹齢三五〇年と推定される。
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