岩谷堂観音 宝蔵寺 丸子町御岳堂:加藤 英純 住職 |
〔連載第84回〕 丸子町御岳堂の「宝蔵寺」は丸子町の中心部から依田川の清流に臨んで大きな岸壁に食い込むようにそそり立つのが見える。信濃三十三観音霊場、中部四十九薬師霊場の札所である岩谷堂観音の御堂としても名高い。 創建は平安時代初期(承和元年・834年)比叡山の第三代座主・慈覚大師円仁で、大師御謹刻の聖観世音菩薩を安置している。朱塗りに映える現在の堂宇は今から二百二十五年前、安永六年(1778)に建立した。それ以前は本堂裏の洞窟の中に安置されていた。 また、寺の周囲には春のレンギョウに始まり、サクラ約百本、花桃、フジ、ツツジなどが咲き競う。そして山門横にある樹齢八百年の名木「義仲しだれ桜」は周囲が五メートルもある大樹で今も艶やかに咲く。 |
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