東昌寺 上田市浦野:横澤文雄住職 |
〔連載第55回〕 上田市浦野の東昌寺は仁王門をくぐって杉木立の山道を登りつめた所に建っている。 創建は建長二年(一二五〇)と伝えられ、天文十二年(一五五一)に福井県の心月寺の第七世、才応総芸を開山に迎えて、これまで臨剤宗だったのが、この折りに曹洞宗となった。 <鐘 楼> 上田市の有形文化財指定のみごとな彫刻で有名な鐘楼がある。これは天保十二年(一八四一)宮坂常蔵氏が建築。入母屋造りで軒は二重扇垂木、鏡天井に竜を描き、軸柱の周囲に切目録をめぐらしている。また、鐘の作者はアララギ系の歌人でもある香取秀真(ほずま)氏で昭和二十八年十月に完成した。余韻の長い音色で品位が最高ということから「勝絶」と表現されるという。 <本 尊> 本堂左の間には二十五体の観音像、六体とも同じ千手観音が安置されている。本尊は宝冠の釈迦牟尼仏。 |
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