実相院 真田町傍陽:松本健淳住職 |
〔連載第54回〕 真田町傍陽の天台宗実相院は神亀二年、僧行基法師により開創された。応永三年雷火のため炎上、天文年間には兵火によりことごとく消失してしまった。その後寛保二年上田城主の松平氏が本堂を再建。天明三年現在の観音様が移築再建、寛政十一年に十六年の歳月をかけて完成した。 本尊は木造馬頭観音坐像。室町時代前半のころの作で、頭上に馬の頭を乗せた坐像。怒りの表情を示す忿怒相ではなく優しい穏やかな表情の馬頭観音は珍しいとされている。 また、本堂の前にある石造宝篋印塔【写真上】は貞治六年足利将軍の執権堀田式部少輔が建立したと伝えられる。 南北朝時代の典型的な関東洋式で塔身東面に「貞治六年三月日」「一結□□敬白」の陰刻銘があり、県内でも数少ない貴重な石塔とされている。 住職は青木村、大法寺の松本健淳住職が兼務している。 |
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