無量寺

上田市手塚:西沢晃一住職
〔連載第48回〕

 伝説の里、上田市手塚にある無量寺(西沢晃一住職)は独鈷山を眼前に臨む眺めのいい所にある。参道には左右三体のお地蔵さんが出迎えてくれ、のどかで温かな気持ちになる。
同寺の起源は今から約四百五十年前、弘治元年(一五五五)。千葉県の佐倉の僧岌泉(じゅうせん)が初代の住職・地頭の福沢左京進が無量寺を建設。岌泉が村の疾病を念仏で治したということで同寺の住職に抜擢されたと伝えられる。その後、領主・仙石忠政の家臣・奥田政勝が土地を寄進している。現在の住職は三十一代目。
 本堂の左側にはお堂があるが額には「願王宝殿」とある。ここに祀ってあるのは地蔵菩薩で通称「元木の地蔵」と呼ばれている。
この地蔵菩薩は弘法大師が当地を訪れた折、沢山の柳の木に霊力を感じ、根本の部分で地蔵菩薩を、末の部分で薬師如来を彫ったという伝説がある。根本の地蔵菩薩を元木の地蔵と呼び、幾多の変遷の末、同寺に命じ二年遷座した。
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