全宗院

上田市中吉田:柴田一弘住職
〔連載第28回〕

 上田市中吉田の全宗院は武田信玄の子息、竜宝が庵を結んでいたのにはじまる。天正十九年から天和元年の間に、竜宝を開基に通山全達和尚が開山した。
 本堂は大正四年に建立、平成七年には庫裡(くり)を新築した。柴田住職(36)は二十世となるが、それまでは同住職の実家、東部町の興善寺住職が兼務していた。今年春、晋山式を行い、正式に同寺の住職となった。
 前住職の柴田善達氏は「寺子屋書道熟」を開いていたが、現住職は大学卒業後、日本書道専門学校で学んだのを生かし壇家の人を中心に写経を行ったり、茶道も教えていきたいという。好きな言葉は「任にあたって他に譲り難し」。この言葉を心に寺を守っていきたいと胸のうちを話していた。
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